隅っこ映画レビュー

「デモンズ」見た目はグロいのに、なんだか「サクッ」をした爽快感と後味のホラー

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さぁ、今日はかなり古いホラーの紹介です。「デモンズ」。

皆さんご存知ですか?日本での公開は1986年。イタリアの巨匠
ダリオ・アルジェント 製作による作品です。今でも人気があるレトロホラームービーとして有名です。

なぜ今更これを?と言いますと、ホラーSF好きな私が非常に影響を受けた衝撃の作品だったからです。これを説明しないわけにはいきません。

1986年。なんと私は田舎の映画館に小学生5年生の時に友達と揃って見に行きました!

今もう一度内容を見てみると、とても小学生には見せられない内容ですが、当時の映画館では普通に入ることができました。

舞台はドイツ、ベルリンですね。ある女性が不思議な男から映画のチケットを貰います。その映画館ではホラー映画が上映されますが、その映画の内容とリンクするようにその劇場でも悲惨な出来事が起こっていくと言う内容。

1番初めにモンスターになってしまうのは、ロビーにあった謎の仮面をつけてしまった女性。仮面でできた傷口からゾンビに変身していくと言うパターン。

これがすごく怖かった。

顔に小さな傷ができた女性は、その映画館のトイレに駆け込むんですが、そこから傷口がどんどん膨れ上がっていき…緑色の膿がどばー。

そう、この作品の中では映画館で上映される映画がストーリーにリンクしているんですが、さらにその映画自体の内容も、今私達が見ている映画館での状況ともリンクしているんです(わかります?)

この映画を見ている途中で、トイレに行きたくなったらどうします?実際に私の友達は途中でトイレに立ち、非常に怖い思いをして帰ってきました。。。。

ゾンビ映画としての特徴

そう、これはグロいシーンが多いいわゆるスプラッタームービーですね。アルジェントですから。ゾンビに爪で引っかかれる、目をつぶされる、凄い痛々しい表現のオンパレードです。ただ、今までのゾンビ映画では、例えばデパートの中だったり、ジャングルの中だったり、案外暗いところでゾンビが暴れると言うものはなかったと思うんです。でのこの映画では、薄暗い映画館のトイレや通路の片隅。この、非日常感。そこでそっと人々を待ち構えます。

この構造が怖い。このじめっとした恐怖感、このあたりがアルジェントの特徴ですね。イタリアのホラーは、このどんよりと陰湿な感じが(フェノミナなんか特に)、日本の恐怖の感覚と似ているのでしょうか?だから和心に響くのかな?

あと、このゾンビは走ります。両手を上げてフラフラ歩くゾンビじゃありません。かなりアグレッシブで、当時はかなり衝撃でした。

なぜ愛されるホラーになったのか

ネットでの情報を見てみると、結構好きな人が多く、やはりそれなりにヒットした作品です。基本的にスプラッターホラーで、確かに映像的には趣味の悪いものが続きますが、後半になるにつれアクション的な要素も増えてきて(バイクに乗りながら日本刀でゾンビを切りまくるなんて)、見た目はグロいのに、なんだか「サクッ」をした爽快感があったりするんですよね。見ていて後味がさっぱりするようなエンディングを付け加えられています。なんでしょう?これは?

これではまっていく理由が見えたりします。何かにはなる理由って、言葉に出来ないような「魅力」なんですよね。それが仕組まれたものなのか?偶然に出来たものなのか?いいものなのか?悪いものなのか?はさておき。

あと、音楽が素晴らしいんです。例によってホラーサントラでは有名なゴブリンと言うバンドから離れたメンバーが作曲を担当してるようですが、このエレクトリックなホラーBGM。最高です。

あと、劇中にハードロックやメタル系の曲がたくさん流れます。やっぱりメタル系はホラーに合います。その流れは現在まで続いていますが、やはり80年代のスプラッターホラーの時代からこの組み合わせは抜群です。

そしてなぜ小学生が見ることになったのか?

でもなんで小学5年生が友達を連れ立って見に行くほどだったんでしょうか?普通アクション映画やアニメじゃないですか?考えられるとしたら、テレビからの情報でしょうか?当時は映画雑誌とかも買ってなかったし…

もしかしたらテレビなどのメディアでこの下品なホラー映画が大きくPRされてたのかもしれません。1986年、ホラー映画真っ盛りですね。 良い時代です。

ということで私のホラー好きの原点ともなる大好きな「デモンズ」の紹介でした。こちらはおひとりでぜひ。

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