隅っこ映画レビュー

ハードコア 自称パンクと嫌なことがあった人は飲んだ後に映画館に走れ、そして走って出てこい!

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いや、これは相当とんでもない映画でした。とんでもない、グロさ、下品さ、凶暴さ、最高サーー!

(C)2016 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ストーリー

見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリーより。彼の身体は事故によって激しく損傷しており、妻と名乗る女性エステルによって機械の腕と脚が取り付けられる。さらに声帯を取り戻す手術に取り掛かろうとした時、施設を謎の組織が襲撃。脱出を試みたもののエステルをさらわれてしまったヘンリーは、超人的な身体能力を駆使して救出に向かう。映画.comより

まずこの作品の誕生の経緯を知った方がいいですね。

2013年にバイティング・エルボーズというバンドが自身のミュージックビデオ「Bad Motherfucker」を公開。それがこれ。

これ、じっくりと見ちゃいますよね。爆発的にブレイクしたようで、確かに相当面白い。いや、ただバカみたいにアクションを詰め込んでいる事や、FPSという一人称視点という点が評価されてますが、これ相当に映像の技術的にもアクションの質においてもクオリティが高い。確かに監督、とんでもない人物なんでしょう。確かにこの映画を知る前に私もYoutubeでこの映像を目にしたことがありました。

で、動画の爆発的なブレイクから2日後の夜、ベクマンベトフ!?がバンドボーカルの(MVの監督!)ナイシュラーにコンタクト。映画化に向けて合意する、と。

何?監督、バンドのボーカル?何?自分で撮ってる?おい、まじか?あとひとつ、ベクマンベトフ?ティムール・ベクマンベトフ?!

あの伝説のロシアンダークファンタジー映画「ナイト・ウォッチ」の監督!

(C)2005 TWENTIETH CENTURY FOX

あのベクマンベトフからFacebookでメッセージが来たとか。「キターーーー!!」でしょうね。いや、この監督が声かけた時点で作品のレベルは決定的だなと感じていました。そして、2014年、クラウドファンディングにてプレビュー映像を公開。資金調達を図る。目標額を超え、製作開始となるわけです。

一緒に行く人を絶対に選ぶ!映画

まずこの映画、内容の前にオススメの鑑賞方法があります。まず、映画館のそばの居酒屋で浴びるほど酒を飲んでください。そして、必ずビニール袋を持っていくこと。

FPS(ファーストパーソンシューター)という、ゲームの主人公のような視点で全ての物語は進みます。日本でもここを強調して売っていぶすね。これは主人公(役)のちょうどあご下の部分にGoProという小さなカメラをヘルメットとともに取り付けて撮影されています。これがとんでもない臨場感!本当に自分がアクション映画に入っているような感覚、主人公になったような感覚を覚えます。ただし、酔う!!これはしょうがありません。この「酔い」という問題は、今時のVR(バーチャルリアリティ)セッドセットでも問題になる事項で、「リアリティを感じたまま、どう酔わないようにするか?」これは今後の技術の進展に期待しましょう。

だから酔う前に酔いなさい(酒で)。内容もそんな感じなので。


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まあ、よくもここまでハードコアに仕上げたなと。ある意味感心します。セックス、ドラッグ、バイオレンス。まさに本能が求める娯楽映画の三種の神器!全て取り揃えています!


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下品、暴力、血もバシャバシャと飛びまくり。体もバラバラと。これ、本当に一緒に観にいく人を選ぶべきです。でも、なぜか私には悪い気がしない。なぜだろう?


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そうだこれはゲームなんだ

そう、これはまさにゲームなんです。まあ見た目がモロゲームですが、そのストーリーの単純さ、キャラクターの単純さ、アクションの単純さ、次から次へ凄まじいアクションが続きますが、これ、現実世界じゃ絶対無理!そもそも主人公、サイボーグだし。少し銃で撃たれてもへっちゃらだし。

そう見ていくほどにこれは馬鹿らしくなるほどにゲームです。だから、リアルだけどリアルじゃないんです。不思議な感覚。映像はリアルだけど、やってることはファンタジー(ダークの方ね)。なんか、最近のアメコミヒーロー物にも通じる感覚があります。

だから、ちょっと下品なものもぐちゃぐちゃバイオレンスも、見てられる。あんまり嫌悪感がないんですよね。漫画なんです。それに敵には暴力的な主人公、女性に関してはすごく優しいんです。これも漫画じゃん。


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漫画として観よ

もちろん、映像としてはかなりキツいので、無理な方は無理です。そう、監督はパンクバンドのリーダーです!なるほどハードコアパンクね。。。世の中の常識を蹴散らし、体制に反抗する、異端児。まさにこの映画のよう。そしてエンドロールにはご本人のバンドの曲が流れる笑。

映画は何もかも忘れて楽しむ夢。こんな本能をさらけ出して爆発する映画があってもいいと思う。上司にいびられた後、学校で嫌なことがあった後、親に説教された後に、ぜひ(必ず)一人で映画館に見に行ってください。

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