シアターマニア

新海誠出身地の佐久の映画館【佐久アムシネマ】に見る地方映画館の生き残り方

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今回は長野県にある【佐久アムシネマ】をご紹介。これはある意味、地方映画館の最終形態かも。すごく和んで、いい。

皆さん佐久ってご存知ですか?長野県の東寄り、ちょうど松本市と軽井沢の中間に位置する、八ヶ岳を望むのんびりとした場所です。

今回たまたまこの場所に訪れることがあったので、地元の映画館を探してみたら発見したのが「佐久アムシネマ」でした。

アクセス

北陸新幹線の佐久平駅からスタートします。東京からは約1時間15分ほど。いけなくはない距離ですかね。

新幹線のホームを出るとそこは爽やかな夏の長野でした。まさには夏ですね。

さて、目的のアムシネマには歩いてはいけません。というか、地方の移動っていうのはすべて車がないと成り立たないんですね。ということで、タクシーでお願いしました。

ここはアムアムビレッジと言う集合施設の一つ。その隣には放題のレストランがあったり、遊べる施設がいくつかこの中に含まれている形のようです。

入り口にある謎の「ぎんちゃんハウス」。暑いので向こうの家にいるよ?長野でも30度越えのこの暑さ大丈夫でしょうか。。。

1階の入り口を入るとそこはゲームセンターでした。いや、1階がゲームセンターになっている劇場って確か東京にもありましたね?でも、それとかなり違って規模はかなり広い。地方のスケール感を贅沢に使ってますね。

まずはチケットを買いましょう。普通のチケットカウンター。Waonと現金のみの支払いのようです。頭上のスケジュールボードを見てみると自由席?

やはりまだ自由席が残っているようです。久しぶり、いいですね。

劇場は2階だそうなので中央の大階段から向かいます。ここで気付いたんですが、何やら広告多くないですか?ポスターだったりのぼりだったり。あと装飾も暖かい感じの手作り感があるものが多い。地方と言えば寂れた映画館はやはり多いんですが、この劇場はなぜか看板が異様に多く、賑やかさが感じられます。

後で知ったんですが、この複合施設を運営している「アメニティーズ」という会社は、パチンコやボウリング場を経営している会社さん。なるほど、あのパチンコ屋さんのにぎやかな感じ。そう、それですね。

その前にご飯でも食べましょうか。この施設の中にはラーメン屋さんもありました。うん、天井のテレビがブラウン管いいですね。

コミックのチョイスもなかなか。味。

次はコンセッションを見てみましょうか。レインボーチーズドック。ほう、ここまで来ている。なかなか面白い。。。ポテトフライにホットドッグ、もちろんポップコーン。ここでもキャラクターのフラッグやポップがなかなか賑やかで良い感じ。

1階のなんとも雰囲氣のある待合で、中学生らしきグループがくつろいでいました。自転車できたのかな?のんびりと仲間たちと映画を見て過ごす、暑い夏。きっと楽しい瞬間ですね。

その横を見ると「もみほぐし」。マッサージのお店があったりします。その先にはカラオケのお店なんかもあったりします。そうです、このアムシネマは、いろんなお店が複合的に入っているので、全てこの中で楽しめるようになっています。いや、ちっちゃなイオンや。

まだ時間があるのでちょっと周りを見てみます。劇場の入り口横にはパンフレットを扱うコーナーがありました。パンフレット、グッズというか、かなり大きなスペースを使用していて、何かギャラリーのような感じですね。奥にはいろんな方のサインがあったりします。

さてそろそろ時間なのでスクリーンに向かいます。お、「天気の子」のディスプレイ。ビニール傘に、てるてる坊主。なかなかがんばってますね、すばらしい。

そう、ここ佐久は監督の新海誠さんの地元でもあるんですね。正確には南佐久郡と言う少し南の方のご出身らしいんですが、出身校はすぐ近くらしく、この辺の映画館では生出身地に1番近いのが、このアムシネマのようです。だからやたらに「天気の子」が推されているんですね。こういった地元に縁のある監督を応援するスタンス、それにこの手作り感のある暖かなディスプレイ。とても素敵ですね。

さて、やっとスクリーンに入ります。入り口は?ちょっと見つかりにくいんですがこの会議室の入り口のような扉。両開きじゃない??

座席は自由席なのでどこに座っても大丈夫。この日は『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を見たんですが、他のお客さんは高校生の男友達やカップルが3組ほど。夏休みの土曜日だって言うのに、ワイルド・スピードってそんなに人気なかったんでしたっけ?いやこの人数でこの劇場やっていけるのか?やはりそんなことが心配になってしまいますが、大きなお世話ですね。

座席はカバーが取り付けてあるタイプのもの。メンテナンスが楽。懐かしい感じです、この辺も。

どうでしたでしょうか?アムシネマ。映画館に人が来ないと言われている昨今ですが、地方の映画館としてはなかなか活気のあるところで、とても気に入りました。

1歩外に出ると、大きな国道沿いなんですがその国道にはあまりお店がありません。

若い人や家族連れでも、遊ぶところはそんなにないのかな?その中でこの施設はご飯屋さんが中にあったり、カラオケがあったり、ゲームセンターがあった、いちど入ってしまえば何でも楽しめるような、まさにイオン。いやスーパー銭湯のような雰囲氣があります。アメニティーズさん、パチンコ屋さんの方が儲かるんじゃないですか?そこに映画館をもってきて、若者も家族も楽しめる場所を、という思い、素晴らしいじゃないですか。

映画館はやはり大人数でスクリーンを見て共有体験をすると言うのが醍醐味。そういったものは1人部屋の中で見るものと全く違った楽しさを得ることができます。でも、そういった楽しみ方が出来る映画館は、地方では商業的になかなか厳しいんじゃないでしょうか。こういった複合施設的な一部として映画館を組み込む。こういったやり方はやはり地方での映画館の最終形態のように思われます。

車でここに行けば全てのものが楽しめる。そういったスタイルはやっぱり楽ですよね。

あと、やはりこの施設には温かみを感じました。いろんな映画紹介のポップもそうですけれど、手作りのフラッグや、ディスプレイ。すべてのものに手がかかっていてこの劇場に対する運営側の愛情を感じることができました。

やはり地方でお客さん来ないと言う映画館もありますが、愛情込めた手作り感。そこに安心感を感じ、たとえ設備が少し寂れていたとしても、そこに映画に対する親近感が生まれます。このあたりの「アミューズメント感」の演出のこなれ感。大変素晴らしい劇場でした。

佐久には他にもいろんな楽しい観光地がありますので、東京から1時間ちょっとのんびりとした雰囲氣を味わって映画を見る。そんな体験もいいんじゃないでしょうか?

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