隅っこ映画レビュー

ゴシックと近代ホラーの良いとこ取りの器用さ。「死霊館のシスター」

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今回はホラーの紹介です「死霊館のシスター」。

公開日は去年の9月21日、2018年の作品ですね。簡単なストーリーの紹介です。舞台はルーマニア、時代は今から数十年前の設定。ある修道院で1人のシスターが首をつった。それを発見した地元の青年。バチカンから神父と見習い修道女が派遣され、その原因を究明をすると言う流れ。

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

ざっくり結末につながるところを言ってしまうと、その修道院では悪魔を呼ぶ儀式が過去に行われていて、今まで封印されていた悪魔が何かのきっかけによって目覚めてしまったと言う。。その原因は戦争の被弾だったりして。

監督は コリン・ハーディ。そして制作にジェームズ・ワンが名を連ねています。

ジェームズ・ワン といえば、「ソウ」シリーズで人気に。それに続く「死霊館シリーズ」も有名ですよ。

作品もその「 死霊館 ユニバース」の1本。

ジェームズ・ワンは好きですか?

そうですね、監督する作品も次々にヒットして、今では制作にまわることも多い監督。最近はアクション映画なんかも手がけていますが、スタートはホラーと言うことで、やはりホラーのセンス、盛り上げ方は群を抜いていると感じます。

監督のホラーの表現方法としては、「じっくりと盛り上げて行き、ショッキングな演出で落とす」と言う、昔からのさっぱりとしたオーソドックスなホラーの作り方だと思います。逆に不条理なスプラッター表現や、陰湿・難解なホラー表現はない。

要するに、「ゴシックホラー」に近い映像の雰囲気がありつつも、びっくりシーンには、旬で斬新な演出を使う。

ゴシックと現代風のいいとこのつまみ食い。

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

さて、今回ワン監督は制作にあたっていますが、 死霊館 シリーズの雰囲気を継承しつつ、映像はゴシックのしっかりしたもの、ストーリーもわかりやすくストレートな内容。ホラーと言うよりも、その表現を除けばアクションとして見ることもできるかもしれません。そんなところが、「万人受けするホラー監督」と言われる所以なんでしょうか。

面白いです。やってる事は時々「あれ?これどっかで見たことあるな」的な演出が見られることもあるんですが、まぁそれはインスパイアと言うことで、良いところをいろんなところから取ってきて、持ち味にスパイスすると言うような、すごく器用なホラー映画の作り方をしていると感じます。

自分の趣味で作ってる、自分の好みで作ってる映像とは思いませんね。

話は安心して面白いんですが、その「何かの良いところを摘んでくる」と言うところがしばらくするとちょっと鼻につくようなところもあり、少し詳しい方は違和感を感じる部分もあるかも。例えば修道院の地下で、何人かの修道女が顔に袋をかぶって立っている。その間を人物が静かに進んでいく。、「いつ動くんじゃないか?」の恐怖感。これってサイレントヒル?

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

あと最後のエンドロールまで聞いてみるとはっきり分かるんですが、音楽の途中で化け物のうなり声のようなエフェクトが入っています。これって呪怨のあの背面歩きの女の人?「ごろごろごろごろごろごろ」て言うのうなり声です。

もう一つBGMに関して言えば、サイレンのようなものも音として効果的に使われていますね。サイレンの音が次第に大きくなる。これは最近のホラーの定番の効果音として雰囲気作りに使われています。

いろんな近年のホラーの良いところをつまんで、ミックスして練り上げて。どんな人にも楽しく見てもらうようにアレンジされた安心ホラー映画。

やっぱりヒットするには「一般」を意識しなければいけませんし、その辺のさじ加減と言うのはやはり抜群だなと感じた映画でした。

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