隅っこ映画レビュー

「エンドレス・エクソシズム」死体安置所の夜勤をあなたはできますか?できる?何やら訳がありそうで。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

今日は結構評判が低いホラー映画の紹介です。「エンドレス・エクソシズム」。

ロッテントマトの評価は10点中4.18!これはかなり低い点数です。低い点数となると逆に興味が湧くもの。予告編の時点ですごく面白かったので、もしかしたら落差がすごい映画かも?と言う気持ちで見てみました。

簡単なあらすじ

主人公は元警官で何らかの事情があって死体安置所での夜勤の仕事をするように。何かしらの問題を抱えていて、アルコール依存症?本人は「夜勤をしていたら夜出歩くこともなくなるから」と言っていました。

そこで受け入れた1つの遺体。それが「悪魔払いを失敗した女性のもの」で、そこから不思議な出来事が起こっていくと言う流れ。

あらすじはいたってシンプルなもので、女性個人の問題。もしかしたら現実的に起こっている色々な出来事は幻覚なのか?薬のせいなのか?それとも、本当に悪魔が悪いことをしているのか?といったラインで進んでいきます。

病院夜勤の怖さ表現

舞台は死体安置所。死体の引き取り場所と言うものなんでしょうか?死体を受け取って、写真を撮り、指紋を取り、スキャナーでで読み取ってデータベースと照合する。そして例の死体安置ボックス?に保管すると言う仕事です。

そんな仕事、よくするなっ!(笑)

話が始まる頃そんな作業を丁寧に表現します。それが怖い。こんな仕事なぜか1人でやっているんですね。その1人でやっているってことが、主人公の妄想なのか?現実なのか?というところにつながっていくんですが、この細かな1人夜勤の表現がすごくリアルで面白い。

夜勤中は音楽なんかかけていません。いつ搬入されるかわからない死体を待ち、暇を持て余し、輪ゴムでボールを作ったり。安置所は暗く、壁はコンクリート打ちっぱなし。その汚れ具合が最高。美術さんいい仕事してます。照明は人感センサーで、動きがないと点かない仕様というのも演出のキーとしていいですね。怖い状況になると主人公の女性は、手を振ってセンサーを探す。(笑)

誰もいない状況、たった1人の夜勤の怖さっていうのがリアルに描かれていて、そこはすごく面白い。

超常現象だけではない怖さ表現

よくある表現として、悪魔払いによって起こる超常現象と言う流れがありますが、この作品はその一方、もう少しリアルな表現がのっかったりします。

少しネタバレになりますが、途中で1番最初に悪魔払いに失敗したその遺体である少女の父親が出てきて、我が娘の悪霊を払うためには、焼き払うしかないと主人公に訴えてきます。

この父親が実は行頭がおかしそうに見えて、実は真実を見ている人間なんですが、死体安置所に押し入って強引にその死体を焼却しようとするクレイジーさ。でもそこに父親としての責任と愛情、優しさも感じられて、なかなかいいアイデアになっていると感じました。

最終的にその悪魔払いを失敗した遺体は、主人公により焼却され、解決されるのですが、女性によるアルコール依存症?何かの問題?はこの出来事によってどういう風に影響を受けたのか。

ラスト、主人公はオープニングと同じく力強く走り続ける。その表現が逆境を乗り越え1つ成長した女性の姿といえるのか?ちょっとわかりずらい表現に感じられます。

ラストで主人公のバックグラウンドと、自身が抱えている問題。それと真夜中に起きる不思議な現象との繋がりが見えづらい。そこがモヤモヤして点数が低くなってるような気がします。なにやらロッテントマトには「もう少し良くなるシナリオ案」までも書いているようですが(笑)そんなふうに「ちょっとここを変えれば傑作になったかもしれない」と言う作品と言うことでしょう。

原題は「The Possession of Hannah Grace」。

「ハンナ・グレイス」とは悪魔払いが失敗して運ばれてくる死体の名前。ポゼッションは「所有」と言う事ですから、ハンナグレースを所有すること。と、ハンナグレースが所有している「何か」という事。

何か一言を言いたくなるような映画。そんな映画は少しの改良で、きっとすごく深く、面白くなるはず。監督はディーデリク・ヴァン・ローイェン。次回の作品に期待がもたれます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください