「ローガン」見てきましたよ。X-MEN好きとしても気になる、ウルヴァリンの最後。今までとは全く雰囲気が違うんですが、何とも感慨深い作品でした。
ストーリー
ミュータントの大半が死滅した2029年。長年の激闘で疲弊し、生きる目的も失ったローガンは、アメリカとメキシコの国境付近で雇われリムジン運転手として働き、老衰したプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアを匿いながら、ひっそりと暮らしていた。そんなある日、ローガンの前にガブリエラと名乗る女性が現れ、ローラという謎めいた少女をノースダコタまで連れて行ってほしいと頼む。組織に追われているローラを図らずも保護することになったローガンは、チャールズを伴い3人で逃避行を繰り広げることになるのだが……。映画.comより
いろいろあったね、X-MENの現時点で時系列的に一番最後の作品です。ローガン(ウルヴァリン)、衰えてます。車泥棒にもボコボコにされ、なんとか立ち向かうほどに。あれあれ。そしてチャールズ・エグゼビアはアルツハイマー、ボケちゃってます。で、身を隠しながらローガンに介護されているという状況。
この設定から始まって、ボケたチャールズをなんとか仕事をしながら面倒を見る、ボロボロのローガンというシーンが結構続きます。仲間は誰一人いません。場所は日差しが眩しいメキシコ国境付近。
ね?これだけでいいでしょ?
X-MENを見続けてきた人ならわかると思うんだけど、あのウルヴァリンが?あのキレキレのチャールズが?二人の出会いと関係、そして戦いの歴史を思い起こすと今のその状況はとんでもなく深く、重みを持って感じられます。これって、やっぱり今までのシリーズの歴史ありきの映画ですよね。監督ずるい。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
で、テーマとしては「家族」をうたっています。
この二人にさらに家族語らせる?悲しすぎるでしょ?そりゃブールージーな曲流れますよ。そう、私はこの作品はこの前半、音楽と共に味わうことが醍醐味かと。
音楽がいい
作曲はマルコ・ベルトラミ。ベテランです。大作映画っぽい音楽が多いんですが、今回、このメインタイトルがいいんです!もの悲しげ、不穏、寂しさ。そして老いたローガン。実際、老眼です。なんか西部劇っぽい雰囲気もありますよね。この音楽にのって、飲んだくれのくたびれた元ヒーローを見る。粋ですね。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
あとの少女との逃避行とか、家族の素晴らしさを味わいかけるシーンもいいんですが、前半の雰囲気でお腹いっぱいで。もうあの状況だけで満足。その状況を結構丁寧に書いているのが素晴らしかった。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
あと音楽といえばもう一つ。ローガンの予告映像にも印象的な音楽が使われていましたね。
Hurt – ジョニー・キャッシュ
これがその予告編。
ジョニー・キャッシュはアメリカの伝説のカントリーシンガー。そのブールージーな歌声がこの映画の雰囲気にマッチます。この曲はナイン・インチ・ネイルズのカバーですが、なんでこんなに合うものを探したんでしょうね。そのセンス。
この予告編で哀愁を感じたなら、見に行って間違いないです。特に前半ね。そういった意味でアクションやSFを全開で見せない今回の広告は成功してるんじゃないでしょうか。今までのX-MEN好きにも新たな層にもアプローチする「家族」というテーマ。
まあ、テーマの追求はまあまあ、、、この監督、演出が青クサイんだよなあ。ブルージーな音楽を聴きながら、くたびれた元ヒーローを見る粋、という楽しみ方でどうでしょう?